Japanese
English
症例
不適合輸血の1症例
A case of incompatible transfusion (AB→A)
小野里 叡
1
,
若狭 一夫
1
,
黒坂 真
1
,
森重 清紀
1
Akira ONOSATO
1
1船岡鉄道病院
pp.1699-1700
発行日 1964年12月20日
Published Date 1964/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203504
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
不適合輸血の原因は,(1)技術的な誤りによるものと(2)事務的なもしくは管理上の誤りによるものとに分けられ,昨今は(2)のグループに属するものが増えつつあるという.われわれは過去9年間600余例の主として肺結核の手術における輸血について,血液型問題で2例の苦い体験をもつた.1例は交叉試験の結果から型誤判が発見されたもので,患者はすでに麻酔下にあつたが皮切開始には至つておらず不適合輸血を免がれた.血液型の再検査が行なわれたが型判定は非常に難しいものであつた.つぎにここに報告する症例では輸血終了後に異型輸血であつたことが発見され,それに至る過程の推理から,第1原因が管理上の盲点のようなものに発していたと考えられたのであつた.
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.