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■症例
78歳の男性。身長168cm,体重62kg。当院循環器内科にて重症大動脈弁狭窄(AS)の定期的なフォローアップをされていた。約2か月前の最終受診時の心臓超音波検査では,大動脈弁最大血流速度(Vmax)5.3m/sec,大動脈弁口面積(AVA)0.8cm2,大動脈弁圧較差(AVPG)max 112mmHg /mean 61mmHgであり,来月には大動脈弁置換術(AVR)が予定されていた。夜間外出中に乗用車と接触し受傷,当院へ救急搬送された。
当院への搬送時,意識清明,血圧120/80mmHg,心拍数90bpm,経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)98%(酸素10L/min,リザーバーマスク)。頭部,右側胸部に挫創,右前腕に開放骨折を認めた。E-FAST(extended focused assessment with sonography in trauma)では腹腔内に液体貯留なし,右胸腔観察でcurtain sign陽性,spine sign陽性で少量の胸腔内液体貯留が疑われた。全身CTにて,軽度の外傷性くも膜下出血(6時間後再度撮影予定),右第6〜8多発肋骨骨折,軽度の右血気胸,肝損傷(被膜下血腫)を認めた。整形外科から,右前腕開放創の洗浄+デブリドマン,橈尺骨骨折に対して創外固定の緊急手術(予定手術時間2時間)が申し込まれた。
■症例経過 1
酸素投与下で救急外来から手術室入室。意識は清明,バイタルサインに異常なし。右前腕はシーネ固定されており,同部位および右側胸部の強い痛みを訴えている。麻酔科医は当直医であるあなたのみ。
さて,あなたならどうする?
①全身麻酔
②全身麻酔±伝達麻酔
③区域麻酔±鎮静
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