徹底分析シリーズ 日本版 敗血症診療ガイドライン2016—診療ガイドラインをどのように臨床に用いるか
巻頭言
松嶋 麻子
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 先進急性期医療学
pp.283
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201072
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- 文献概要
日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2016が発表されてちょうど1年が経過しました。J-SSCG 2016には,敗血症診療に関するエビデンスの集大成として一定の評価がある一方,明確な推奨が示されず,臨床の疑問に答えを出せていない分野もあります。また,提示された推奨やエキスパートコンセンサスをどのように実際の現場で用いたらよいかわからない,という声も聞かれます。
本徹底分析では,若手の麻酔科医に対して,敗血症診療のエビデンスとその臨床への応用をわかりやすく解説することを目標としました。総論と各論に分け,各論ではガイドライン19項目の中から麻酔に関連の深い7項目を選びました。各項目ともJ-SSCG 2016の作成にかかわった方々が,ガイドラインの項目ごとに推奨またはエキスパートコンセンサスが示された根拠を,推奨提示に至らなかった項目については今後の課題を記しています。さらに,敗血症患者に麻酔を行う際や集中治療室での管理において,J-SSCG 2016で提示された内容をどのように用いるか,実際の臨床応用についても触れています。
本徹底分析がLiSA読者の日常診療に役立ち,さらに読者の中から新たな臨床研究が生まれ,次の改訂時に新たなエビデンスとして加わることを期待しています。
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