症例検討 鎮静
巻頭言
紙谷 義孝
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科 麻酔科学部門
pp.765
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200924
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- 文献概要
人工呼吸を行う際の鎮静と侵襲的な処置を行う際の鎮静,また小児の検査を行う際の鎮静では,患者の苦痛を取り除き治療や必要な検査を容易に行えるようにするといった点では共通するものの,その内容は大きく異なっており,一括りにして論じることはできない。また,集中治療室における鎮静でも,呼吸不全の患者に対するものと,術後の早期抜管を目指すものとでは,まったく異なっている。小児のMRI検査に伴う鎮静は,患者の状態が悪かったりモニタリングが困難だったりするため,呼吸のトラブルから取り返しのつかない事態に至る危険性もある。
本症例検討では,集中治療,小児麻酔,歯科麻酔などのエキスパートが,それぞれのシチュエーションでの鎮静について,その目指すところから実際のやり方について詳説している。これからいろいろな場面へと飛び立つ若手ばかりでなく,若手を指導すべき中堅〜ベテラン麻酔科医にとっても役に立つはずである。特に,消化器内視鏡処置の際の鎮静は,日本ではほとんどが消化器内科医によってなされているが,鎮静の質や安全性の担保について,麻酔科医が行えばここまでできるのだ。いろいろな場面で応用が可能だろう。
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