快人快説
—最先端の研究テクノロジー紹介②—質量顕微鏡—そのしくみと医学研究への応用
伊藤 孝
1
,
瀬藤 光利
1
Takashi ITO
1
,
Mitsutoshi SETOU
1
1浜松医科大学 細胞分子解剖学講座
pp.517-523
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200866
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はじめに─なぜこの文章を読むか?
質量顕微鏡を紹介する本稿は,日々の業務で忙殺される麻酔科医が「2〜3分パラパラめくる」だけでも,何か新しい情報を得られることを目的としている。その狙いを優先するので,最先端研究テクノロジーの紹介において,新しい概念を吸収するために一文一文時間をかけて格闘しないで済む文章を目指した。技術の原理,知識の記述を最小限,かつ簡易になるよう努め,代わりに医学研究への応用例の紹介に多くを充てた。記憶はそのメカニズムとして,日常的に関連情報に繰り返し触れないと定着しないし,自分に重要だと思えてはじめて長期記憶になる。本稿は,質量顕微鏡に関して,ごく短い情報として自分の頭の中に整理し,いつか将来に自分の仕事へと応用する機会を温めようとする読者に適する。消費時間を最小限にしたい読者は,興味のある項目のみ目を通し,応用例の写真イメージを見ていただければと思う。質量分析や質量顕微鏡の知識をすでにある程度もっている読者,テクノロジーの原理を突き詰めて知るのが好きな読者,そして,本稿で質量顕微鏡に興味を抱いた読者は,同テーマの総説や,関連教科書を参照されたい。
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