快人快説
最先端の研究テクノロジー紹介①—微量サンプル中の微量脂質を定量化する驚異の質量分析技術
横溝 岳彦
1
Takehiko YOKOMIZO
1
1順天堂大学医学部 生化学第一講座
pp.1179-1188
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200734
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
筆者は医学部の生化学教室を主宰し,微量の生理活性脂質とその受容体を対象に基礎研究を行っている。縁あってLiSAの編集会議に参加し,麻酔科医の方々と近く接する機会がある。先日,編集会議の合間の雑談で,次世代シーケンサーや,質量分析イメージング,ゲノム編集技術など,最近開発され,基礎研究の世界を大きく変えつつある新しい技術を紹介したところ,出席者の多くが強い興味を示された。基礎研究の世界にいると当たり前のように入ってくる新しい技術に関する情報が,臨床医には届いていないことに衝撃を覚えた。いくら革新的な技術が開発されようとも,最も重要なのは,その技術を利用するアイデアと応用であろう。そこで,最先端の研究技術をわかりやすく解説し,臨床医のアイデアを掘り起こしたいと考えるに至った。
先陣を切って筆者自身が,極微量の試料から多数の生理活性脂質を定量化する最先端の質量分析技術を紹介する。今後も,さまざまな専門家に,最先端の研究技術をわかりやすく解説していただく予定である。執筆者の同意が得られれば執筆者の連絡先を併記し,LiSAの読者からの質問や共同研究の相談を,直接,執筆者との間で行えるようにしたい。読者からの積極的なフィードバックを期待している。
Copyright © 2016, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.