第8座：室堂診療所

立山山岳診療の拠点

中部山岳国立公園立山室堂平にある室堂診療所は，立山観光の拠点である標高2450mの室堂ターミナルから徒歩3分という，比較的便利な場所にあります。診療所は，立山センターという建物内に存在し，富山県警察山岳警備隊，富山県自然保護課，森林管理署，立山町消防本部室堂救急隊分遣所なども同じ建物の中にあって，夏の最盛期には多くの職員が働いています。

　室堂診療所は2009年まで，富山県立中央病院が医師と看護師を派遣し，夏季だけ診療活動を行っていましたが，2010年からは金沢大学医学部山岳部の同窓会である十全山岳会が業務を引き継ぎ，金沢大学医学部山岳部や，金沢大学医学部立山診療班の医学生とともにその運営に当たっています。立山周辺では室堂診療所以外に，雷鳥沢診療所，剣沢診療所があり，これら3か所の診療所全体で，年によって若干の変動はありますが，医師約30人，医学生60人が運営に参加しています。室堂診療所は，3か所の診療所のうちで，最も交通の便がよいことから，診療活動に使用する車両の管理や医療物資の搬入などの拠点として，その役割を果たしています。