連載 今日も山日和:雲の上の診療所
第10座:常念診療所
花岡 正幸
1
1信州大学学術研究院医学系医学部 内科学第一教室
pp.1066-1067
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200708
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
松本平の西方に聳える見事な三角錐
常念岳(標高2857m)は,北アルプス南部の一角を占める,いわゆる常念山脈の主峰です。常念山脈は,槍・穂高連峰とほぼ並行して南北に走り,餓鬼岳から燕岳,大天井岳,そして常念岳を経て,蝶ヶ岳,霞沢岳と続きます。信州大学医学部は長野県松本市に位置しますが,松本平から西方に眺める常念山脈のなかで,ひときわ目を引くのが常念岳です(写真1)。深田久弥の『日本百名山』に「松本付近から仰ぐすべての峰のなかで,常念岳の優雅な三角形ほど,見る者に印象を与えるものはない」というウェストンの言葉が引用されています。この言葉通り,松本平の人々は四季折々の常念岳を眺め,親しんできました。特に,毎年春に前常念岳の東北東の斜面に現れる徳利を下げた“常念坊”の雪形は有名です。また,安曇野市には常念をこよなく愛した田淵行男の作品を集めた記念館があり,多くの人で賑わっています。
Copyright © 2016, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.