症例検討 まれだが怖い 手術・麻酔合併症
術中の心拍数低下とST上昇—心原性か非心原性か
阿部 望
1
,
外山 裕章
1
Nozomu ABE
1
,
Hiroaki TOYAMA
1
1東北大学病院 麻酔科
pp.726-729
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200632
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症例
50歳の女性。身長150cm,体重50kg。胆石症に対して硬膜外麻酔併用全身麻酔で腹腔鏡下胆囊摘出術が予定された。朝や食後に胸部違和感があるほかは特別な病歴はない。デスフルラン-酸素-空気とレミフェンタニルによる全身麻酔とし,筋弛緩薬にはロクロニウムを用いた。術中の血圧は90〜100/70〜76mmHg,心拍数は55〜65bpmであった。胆囊操作時に心拍数が40bpm台となった。モニター心電図ではST上昇と2度房室ブロックを認めた。収縮期血圧も60mmHg台へと低下した。
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