特集 薬物療法マニュアル
Ⅰ.救急患者の薬物療法
1.蘇生術とショック
心原性ショック
上嶋 権兵衛
1
Gombei KAMIJIMA
1
1東邦大学医学部第2内科
pp.16-17
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903760
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はじめに
心臓の一次性原因によるポンプ機能障害で末梢組織の代謝要求に対応できない循環不全が心原性ショックと定義され,急性心筋梗塞に起因するものが大部分である.臨床的には心拍出量の低下,循環不全に起因する末梢組織のhypoxiaに伴う症状や所見が認められる.心原性ショックの原因が非可逆性の病変や,たとえ回復可能な原因であっても速やかに効果的な治療が行われないとその死亡率は85%以上となる1).したがって,心原性ショックの治療の原則は病態を迅速に把握し,是正できる原因疾患の速やかな除外診断とともに原因疾患に対する根治的な治療を含めた循環不全に対する治療により,臨床症状および血行動態の安定化をはかることである.
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