症例検討 まれだが怖い 手術・麻酔合併症
抜管後の低酸素血症—体格のよい若い男性患者だからこその呼吸器トラブル
伊東 久勝
1
,
山崎 光章
1
Hisakatsu ITO
1
,
Mitsuaki YAMAZAKI
1
1富山大学大学院医学薬学研究部 麻酔科学講座
pp.720-724
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200631
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症例
44歳の男性。身長175cm,体重85kg。高血圧の既往があり,カルシウム拮抗薬とアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬を服用している。糖尿病があり,経口薬で治療されている。喉頭ポリープに対して喉頭微細手術が行われた。レミフェンタニルとセボフルラン-酸素-空気による全身麻酔とし,筋弛緩はロクロニウムで得た。手術は30分で終了した。スガマデクスを投与し筋力が回復した。意識も回復したので抜管した。口腔内から血性の分泌物が吸引された。ベッドからストレッチャーに移動する直前,酸素飽和度が80%台に急速に低下した。患者の意識は低下し,呼びかけにも反応しない。
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