感染症が見える! グラム染色に基づく抗菌薬療法[18]
若い男性の尿路感染症
谷口 智宏
1
,
遠藤 和郎
2
1大阪医療センター免疫感染症科
2沖縄県立中部病院内科・感染症グループ
pp.449-451
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101428
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症例:19歳の男性,とくに既往なし.
主訴:排尿時痛.
【現病歴】来院3日前から排尿時の違和感あり.尿道口から黄白色の膿が出るため,市販の膀胱炎の内服薬を試したが効果なし.排尿時以外にも陰茎の焼けるような痛みが出現したので,救急室を受診した.症状が出現する数日前にコンドームなしの性交渉があった.
【既往歴】特記すべきことなし.
【身体所見】身長170cm,体重62kg.バイタルサイン;血圧130/90mmHg,脈拍104/分,呼吸数20/分,体温36.7℃.全身状態;痛みのため苦悶様.頭頸部;結膜充血なし,咽頭発赤・潰瘍なし,頸部リンパ節腫脹なし.胸部;喘鳴・湿性ラ音なし.心音;整,心雑音なし.腹部;平坦軟,圧痛なし,鼠径リンパ節腫脹なし.背部;CVA叩打痛なし.陰囊;発赤腫脹なし.陰茎;尿道口から黄色の膿が少量流出.直腸診;前立腺の圧痛なし.
【検査所見】尿検査;赤血球5~9/HPF,白血球30~49/HPF,菌1+.
膿のグラム染色;多核白血球2+,矢印の菌1+(多くは貪食されている)(図1).
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