Japanese
English
解説
呼吸困難と低酸素血症
Dyspnea and hypoxemia
西村 正治
1
Masaharu Nishimura
1
1北海道大学医学部第一内科
1First Department of Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.125-132
発行日 1990年2月15日
Published Date 1990/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900094
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はじめに
呼吸困難と低酸素血症はともに呼吸器疾患のみならず多くの臨床医学やスポーツ医学の領域において頻繁に見られる自他覚所見であり,両者が共存することも多い。ところが,呼吸困難の神経生理学的機序については現代医学をもってしても依然不明の部分が多い。そのため低酸素血症とのかかわりも十分に解明されているとは言い難い。呼吸器専門の臨床家でさえも,低酸素血症の程度を安易に疾患の重症度と判定し,患者の呼吸困難の訴えがその重症度と合致しないと不思議がることもある。本稿は,呼吸困難に関する最近の検査方法や知見について論争点を踏まえつつ紹介し,次に低酸素血症と呼吸困難の関わりについて解説することを目的としている。
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