徹底分析シリーズ 薬が承認されるまで
臨床試験と治験の違い—その用語の定義
住谷 昌彦
1,2
Masahiko SUMITANI
1,2
1東京大学医学部附属病院 緩和ケア診療部
2東京大学医学部附属病院 麻酔科・痛みセンター
pp.510-512
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200580
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ヒトを対象とする医学研究を行う際,倫理的原則としてヘルシンキ宣言を遵守することが求められるが,さらに治験の場合は,それを行う医師と製薬企業,医療機関は,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)」という医薬品および医療機器全般に関する法律と,これにもとづいて国が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令Good Clinical Practice(GCP)」という規則を守らなければならない。このような規制は,日本だけでなく欧米諸国をはじめ国際的に適用されている。治験は,その内容を国に届け出ること,治験審査委員会Institutional Review Board(IRB)で治験の内容をあらかじめ審査すること,同意が得られた患者のみを治験に参加させること,重大な副作用は国に報告すること,治験が適正に行われていることを確認すること,など厳格なルールが規定されており,それらによって運用される。
本稿では,臨床試験と治験の違い,医薬品とは何かなど,主に用語の定義について概説する。
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