徹底分析シリーズ 薬が承認されるまで
医薬品の臨床開発と承認審査について—麻酔科領域における臨床開発の動向を踏まえて
中林 哲夫
1,2
Tetsuo NAKABAYASHI
1,2
1独立行政法人医薬品医療機器総合機構 新薬審査第三部
2独立行政法人医薬品医療機器総合機構 次世代審査等推進室
pp.514-519
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200581
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治療環境の向上には,既存の治療法のエビデンスを蓄積し優れた治療戦略を確立するとともに,新たな治療法の開発により,臨床上の課題(unmet medical needs)を解決していくことが重要である。医薬品開発においては,よく計画され適切に実施された臨床試験により,有効性が証明され安全性が示される必要がある。麻酔科領域では,慢性疼痛の治療薬の開発が積極的に行われており,既存の治療薬にない新規性が高い作用機序を有する化合物が,すでに臨床開発の段階にある。このため今後の医薬品開発では,より適切な臨床評価の方法を継続的に検討していくことも重要である。
本稿では,このような麻酔科領域における医薬品開発の動向を踏まえ,医薬品開発における臨床開発の流れと承認審査の概要について解説する。なお,本稿は筆者個人の意見にもとづいた概説であり,独立行政法人医薬品医療機器総合機構 Pharmaceuticals and Medical Devices Agency(PMDA)の見解を示すものではない。
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