徹底分析シリーズ 薬が承認されるまで
巻頭言
川口 洋佑
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1国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 麻酔・集中治療科
pp.509
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200579
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- 文献概要
さまざまな研究の進歩の結果として,新しい医薬品や医療機器が登場する。高度な医療技術が要求されている現在にあって,最新の医薬品や医療機器を用いることなしに日々の臨床診療を遂行することは難しい。新たに開発された医薬品や医療機器が臨床の現場で使用可能となるまでには,治験で有効性と安全性が確認される必要がある。しかし,治験のためにデータを収集する機会はあっても,自分が使用している医薬品や医療機器がどのような過程を経て世に送り出されているか,きちんと理解しているだろうか。
本徹底分析シリーズは,新規の医薬品や医療機器の臨床開発から実際に承認に至るまでの流れを,若手麻酔科医に理解してもらうために企画した。アカデミアの立場からは,用語の解説,法規制や指針,また臨床医が治験にかかわる意義について概説している。独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)で審査に携わる立場からは,承認申請までの流れや臨床評価における基本的な考え方を概説している。本特集が,若手麻酔科医が将来,新たな治療の選択肢を提供する機会に積極的にかかわっていくきっかけとなることを期待する。
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