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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Koster RW. Continuous or interrupted chest compressions for cardiac arrest. N Engl J Med 2015;373:2278-9.
Article:
Nichol G, Leroux B, Wang H, et al. Trial of continuous or interrupted chest compressions during CPR. N Engl J Med 2015;373:2203-14.
■心肺蘇生における胸骨圧迫の重要性
2015年10月に,2015 Guidelines Update for CPR and ECC(ガイドライン2015)が発表された。そのなかでも,胸骨圧迫の重要性は強調されている。ガイドライン2010での胸骨圧迫は,深さ5cm以上,100回/min以上が推奨されていたが,ガイドライン2015では,深さ5〜6cmで100〜120回/minが推奨されている。1分当たりの胸骨圧迫の実際の回数は,気道の確保や人工呼吸,AEDの解析などによる中断により減少すること,圧迫回数が多いほど生存率が高くなることなどのためである。胸骨圧迫中断の時間が長くなるほど,生存率が低下することが報告されている。胸骨圧迫中断により冠灌流圧が急速に低下し,冠血流量が減少することが関係している。動物実験では,換気時にも胸骨圧迫を中断しないことにより,生存率が上昇することが示されている。アリゾナ州における前向き研究でも,救急隊(EMS)が到着するまでbystander(救急現場に居合わせた人)が胸骨圧迫を継続することで,生存退院率が上昇することが示されている。ガイドライン2015でも,EMSが酸素投与をしながら,200回の胸骨圧迫を3ピリオド行うことをクラスⅡbの推奨としている。
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