徹底分析シリーズ 麻酔手技に伴う合併症とインフォームドコンセント
インフォームドコンセントの実際1:心臓麻酔を中心に—質の高いICで抗不安効果を得る
横塚 基
1
Motoi YOKOZUKA
1
1三井記念病院 麻酔科
pp.1108-1112
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200424
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最高裁の判決(平成13年11月27日)で「医師は,患者の疾患の治療のために手術を実施するに当たっては,診療契約に基づき,特別の事情がない限り,患者に対し,当該疾患の診断(病名と病状),実施予定の手術の内容,手術に付随する危険性,他に選択可能な治療方法があれば,その内容と利害得失,予後などについて説明すべき義務がある」と示された。“実施予定の手術の内容,手術に付随する危険性”には当然,麻酔に関連した事象も含まれるだろう。しかし,ただ麻酔とその合併症を列挙して説明するだけでよいのだろうか。国立がん研究センター病院の「がん告知マニュアル」1)(平成8年9月)の冒頭には,『すでに「告げるか,告げないか」という議論をする段階ではなく,「いかに事実を伝え,その後どのように患者に対応し援助していくか」という告知の質を考えていく時代になった』とある。がん告知だけでなく,手術麻酔も何を説明するのかしないのかにとどまらず,説明の質を高める努力をしなければならない。
本稿では,心臓麻酔の説明の質を高める工夫を中心に提示したい。
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