今月の臨床 女性診療科外来プラクティス
IX 付録
1. インフォームド・コンセント
野末 悦子
1
1コスモス女性クリニック
pp.658-663
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100117
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1 はじめに
今ではインフォームド・コンセントという言葉は医療関係者だけでなく,外来を受診するほとんどすべての人が知っているが,はじめてこの言葉が用いられたのは,アメリカの医療事故の裁判のときで,1950年代のことだといわれている1).その後,患者の知る権利や,治療の自己決定権が常識的なこととして捉えられるようになり,この問題はさらに一般的になってきている2).スタートが裁判事件だっただけに,医師が身を護るために必要であると捉えられている部分もなきにしもあらずであるが,一番大切なことは,治療法を選ぼうとしたときに,患者の立場に立ち,それぞれの患者の理解度に応じて十分な説明を行い,医師と患者の双方が納得したうえで治療を開始することができるように努めることであり,インフォームド・コンセントの本来のあるべき姿であろう.
本稿では,具体的に,それぞれの訴えで来院した場合のインフォームド・コンセントについて考えてみたい(表1).
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