徹底分析シリーズ 麻酔手技に伴う合併症とインフォームドコンセント
インフォームドコンセントの実際2:区域麻酔を中心に—不安を冗長させないようシンプルに
入駒 慎吾
1
Shingo IRIKOMA
1
1聖隷浜松病院 麻酔科
pp.1114-1119
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200425
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区域麻酔の合併症のなかで最も頻度の高いものは,脊髄くも膜下麻酔に伴う硬膜穿刺後頭痛が挙げられる。頻度は3〜25%と報告されている1)が,脊麻針の改良により,その頻度は低下傾向にあると考えられる。次に頻度の高いものは,硬膜外麻酔に伴う硬膜誤穿刺である。頻度は約3%で,その70%に続発する頭痛を引き起こすと報告されている2,3)。この二つの合併症以外は格段に発生率が低くなり,1000人に1人以下のオーダーになる。さて,このような頻度の低い合併症をどこまで説明し同意を得るかは,常に頭を悩ませる問題であろう。今回,区域麻酔のどの合併症をどこまで説明するかについて,もう一度考えてみたい。区域麻酔には硬膜外麻酔と脊髄くも膜下麻酔の二つがあるため,これらを分けて考える。
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