徹底分析シリーズ 局所麻酔薬
Na+チャネルについて,ここまでわかった!—構造・機能と疼痛への関連性
堀下 貴文
1
,
佐多 竹良
1
Takafumi HORISHITA
1
,
Takeyoshi SATA
1
1産業医科大学 麻酔科学教室
pp.548-554
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200292
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電位依存性ナトリウムイオンチャネルvoltage-gated Na+ channel(VGNC)は,中枢神経,末梢神経,心筋,骨格筋細胞などに発現し,活動電位の開始および伝達において重要な役割を担っている。1984年に沼博士らによって初めて遺伝子が同定されて以降,これらの構造・機能を解明すべく研究が進められてきた。近年では,神経障害性痛をはじめとした痛みの病態にも重要な役割をもつことが示唆されており,局所麻酔薬の作用部位としてだけでなく,難治性疼痛治療に対する新たなターゲットとして注目されている。
本稿では,現在までに解明されているVGNCの基本的な構造・機能と痛みの病態への関連性について解説する。
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