症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 4
術後の抗凝固療法中に,硬膜外カテーテルを誤って抜去した—硬膜外血腫の症状がある場合は,直ちに専門医へ
千田 絢子
1
,
黒岩 政之
1
Ayako SENDA
1
,
Masayuki KUROIWA
1
1北里大学医学部 麻酔科学教室
pp.501-503
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200248
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症例
65歳の女性。身長155cm,体重75kg。BMI 31。卵巣癌に対し開腹子宮全摘術,付属器切除術,骨盤リンパ節郭清術を施行した。
硬膜外麻酔併用全身麻酔で管理し,術後は硬膜外から0.2%ロピバカインを5mL/hrで持続投与を行った。周術期の静脈血栓塞栓症venous thromboembolism(VTE)のリスクが高いと考え,術後硬膜外鎮痛と併用して抗凝固療法が予定された。
術翌日から,ヘパリンカルシウム5000単位の皮下注を開始したが,開始3時間後,体位変換時に誤って硬膜外カテーテルが抜けてしまったとの連絡を受けた。
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