Japanese
English
手術手技
硬膜外血腫の手術
Operative Procedures of Epidural Hematoma
山本 信二郎
1
,
伊藤 治英
1
,
埴生 知則
1
Shinjiro YAMAMOTO
1
,
Haruhide ITO
1
,
Tomonori HANYU
1
1金沢大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, School of Medicine, University of Kanazawa
キーワード:
Epidural hematoma
,
Surgical technique
Keyword:
Epidural hematoma
,
Surgical technique
pp.725-730
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200347
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Ⅰ.はじめに
硬膜外血腫の典型的なものは,硬膜外バルーン実験の場合に類似し,その症状の推移は脳偏移と,頭蓋内圧の亢進による.この場合,症状がcriticalなレベルに達する前,あるいは尚,可逆的な状態において血腫除去がなされるならば,全ての症例が完全に治癒されうるといってもよい.従ってこの疾患の治療の本質は,いかに速やかに診断され,かっ適確な手術がなされるかにある.もし,術後に脳浮腫の発生が予測されるならば,その対策が問題となる.
われわれが最近約10年間に経験した外傷性硬膜外血腫は57例で,これは入院治療した頭部外傷の7.9%,外傷性頭蓋内血腫の26.5%にあたる,しかし実際は,硬膜外血腫として取扱われるものでも,多少に拘らず,外力に直接起因する脳挫傷その他の損傷を合併するのが常である.例えば典型的症状の1つとしてあげられる,lucid intervalの前駆をなす脳震盪症状さえ,器質的な変化として証明し得ないとしても,脳に何らかの損傷が生じたことに間違ない.
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