徹底分析シリーズ TAVI:カテーテル,そしてチームで治す大動脈弁狭窄症
巻頭言
瀬尾 勝弘
1
1小倉記念病院麻酔科・集中治療部
pp.429
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200231
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- 文献概要
今,合併疾患などでリスクが高い大動脈弁狭窄症の治療として,カテーテル治療が注目されています。経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は,2002年のCribierらによる報告以来,欧米など世界的には,すでに15万人以上の症例経験が得られ,内科的治療よりも優れているのみならず外科的大動脈弁置換術に劣らない成績が報告されています。日本でも2013年10月にエドワーズ ライフサイエンス社のSAPIEN XTTMが保険償還となりました。さらに今後,自己拡張型のメドトロニック社のCoreValveR も導入されるようです。
今回,この新しい治療法であるTAVIに日本で先駆的に取り組んでいる施設の心臓血管外科医,循環器内科医,麻酔科医に,TAVIの位置づけ,適応,合併症,予後予測,麻酔管理,TAVIチームについてまとめていただきました。
TAVIの周術期管理で麻酔科医は,重症大動脈弁狭窄症での麻酔導入維持,rapid ventricular pacingによる心停止とバルーンによる拡張後に生体弁を留置するまでの血行動態管理,術後鎮痛など,ハートチームの一員として大きな役割を担っています。
本徹底分析がTAVIでのより良いチーム医療に役立つことを期待しています。
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