徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 血液製剤
血小板濃厚液を絶えず振盪していないといけないわけ
角倉 弘行
1
SUMIKURA,Hiroyuki
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.1132-1133
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200063
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●振盪するのは凝固を阻止するためではない
まず,止血における血小板の役割を簡単に確認しよう。出血時には,血管内皮細胞下に露出したコラーゲンに,von Willebrande因子(vWF)や血小板が結合して凝集する(一次凝集)1)。この過程で,血小板は活性化され,形態が円盤状から多数の長い突起をもつ球状に変化し,血小板凝集塊が形成される。さらに活性化した血小板は,トロンボキサンA2(TXA2)を産生して,血小板の凝集を促進させる(二次凝集)。ここまでの過程が一次止血である。続いて,凝集した血小板のリン脂質において,凝固因子による凝固反応が進行し,最終的にはフィブリノゲンからフィブリン網が形成されて二次止血が完了する(図1)。
このように,血小板による強力な凝固反応が進行するためには,血小板がvWFに結合して活性化されることが必要である。
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