徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 周術期管理
自発呼吸と人工呼吸の循環生理学的な違い—血圧,心拍出量の変化
平田 直之
1
,
山蔭 道明
1
Naoyuki HIRATA
1
,
Michiaki YAMAKAGE
1
1札幌医科大学医学部 麻酔科学講座
pp.1042-1043
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200037
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自発呼吸,人工呼吸いずれにおいても,吸気時,呼気時に心拍出量および血圧が変動する。全身麻酔下で人工呼吸を行っている際に,動脈圧波形や経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)の波形を注視していると,この変化はすぐに確認できるであろう。呼吸による胸腔内圧や肺容量の変化が,前負荷,後負荷,心拍数,心筋収縮力に影響を与えることが,その背景にある。本稿では,自発呼吸,人工呼吸それぞれにおける心拍出量と血圧変動の機序について述べる。
呼吸による循環動態変動を考える場合,影響を及ぼす胸腔内圧,静脈灌流,肺容量は,吸気時と呼気時で異なる動態を示すため,吸気時と呼気時に分けて考える必要がある。
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