Japanese
English
特集 心機能検査
心拍出量
The Measurement of Cardiac Output
杉下 靖郎
1
Yasuro Sugishita
1
1東京大学医学部策2内科学教室
12nd Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.4-12
発行日 1970年1月15日
Published Date 1970/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202103
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はじめに
心臓は血液を全身に送り出すことを役割とする器官であり,それ故心拍出量は心臓の機能状態を知る上に昔から重視された。近年心臓生理学上の概念の発展,諸種測定法の進歩に基づき,循環動態を表わすために種々の複雑な指標が用いられるに至った。しかし全身に血液を送るという目的から見れば,すべてを総合した心臓の機能の表現としての心拍出量の意義は決して他に劣るものではない。今や他の循環諸量を基盤にした上で,最も重要なものとして,心拍出量の意味を再検討すべき侍期にあるものと思われる。
心拍出量の測定法には種々の方法が試みられてきたが,ここでは現在のところほぼ標準と考えられる二,三の方法の特色および実施上の注意について述べるとともに,他の方法についてもごく簡単に述べる。また現在は主として動物実験に用いられているが興味深くかつ将来の臨床応用性のあるものにもふれる。なお定義上は心拍出量は「一分間に心臓から拍出される血液量」であるが,必要に応じて(とくに拍動血流の項で)一回拍出量の測定にもふれる。
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