症例検討 小児蘇生
巻頭言
青山 和由
1
1トロント大学 集中治療医学講座
pp.139
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102046
- 販売していません
- 文献概要
麻酔科医は,心肺蘇生に習熟している必要があるだけでなく,急性かつ重症病態の評価および対応を適切に行う能力も求められる。患者の病態が急激に増悪しているときには,秒および分時単位の的確な対応が求められ,場合によっては原因疾患の深い理解よりも,増悪する病態への適切な対応を優先しなければならないこともある。さまざまな生理学的変化に対して,分刻みでの緻密な管理を長時間にわたって行える麻酔科医だからこそ,こういった急性期管理をも得意にできるのであろう。
小児麻酔のトレーニングを受けたことのない麻酔科医はほとんどいないだろうが,小児救急や小児集中治療室で急性期管理のトレーニングを受けたことがある麻酔科医は少ないだろう。そのため,本症例検討では小児の急性期管理をテーマとした。誌面の都合で,麻酔科医がかかわり得る頻度が高い,もしくは重要な急性期病態に焦点を絞り,四つの症例を提示する。各稿で生理学的評価の重要性を第一に強調しているが,これは本特集全体を通じた最も重要なメッセージである。
本症例検討を通じて,小児蘇生トレーニングの重要性を再確認していただければ幸いである。そして,まだPediatric Advanced Life Support(PALS)コースを受講していない読者は,これを機会に受講していただき,日本の麻酔科医のさらなるレベルアップに寄与されたい。
Copyright © 2014, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.