徹底分析シリーズ 未来への麻酔科学教育
診療参加型臨床実習(clinical clerkship)とは―さあ始めよう!麻酔科のクリ・クラ
髙田 真二
1
Shinji TAKADA
1
1帝京大学医学部 麻酔科学講座・医学教育センター
pp.1164-1171
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101991
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診療参加型臨床実習clinical clerkship(参加型実習)は,医学生が卒業時に要求されるコンピテンス(知識・技術・態度を総括した総合的診療能力)を修得するための最も重要な卒業前教育課程である。「参加型」というと,「医師免許をもたない医学生にさまざまな手技を経験させなければならない」「事故が起こったら誰が責任を取る(取らされる)のか?」という疑念をもたれやすいが,実は「侵襲的手技を経験させること」にこだわる必要はない。参加型実習の神髄は「頭の参加」であると考える。
そこで本稿では,臨床前教育,臨床実習,初期臨床研修,後期専門研修と続く医師教育の枠組みのなかで,効果的な参加型実習を実施するために指導者側に必要なことを,医学教育カリキュラムの構成にもとづいて考察する。さらに参加型実習の必修プログラムのなかに麻酔科が含まれていないという現状に対し,「麻酔科は参加型実習において中心的役割を果たし得る(果たすべき)」という筆者の思いを述べる。
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