連載 診療参加型臨床実習・第1回【新連載】
なぜ,診療参加型臨床実習が切望されるのか?
内山 靖
1
Yasushi UCHIYAMA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 予防・リハビリテーション科学 創生理学療法学
pp.86-92
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202185
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診療参加型臨床実習を取り巻く現状
理学療法界において,診療参加型臨床実習に高い関心がもたれたのは,一部の教育関係者を除けば,令和2(2020)年4月から施行された理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則(以下,指定規則)の改正にある.
理学療法士作業療法士養成施設指導ガイドラインでは,臨床実習に関する事項として,「評価実習と総合臨床実習については,実習生が診療チームの一員として加わり,臨床実習指導者の指導・監督の下で行う診療参加型臨床実習が望ましいこと」が明記された.これに関連し,臨床実習における実習時間以外における学修などの時間,実習指導者の要件,臨床実習前後の評価,チームの一員として求められる基礎能力(人間関係,コミュニケーション,栄養,薬理,画像,医療・介護保険制度の理解など)の拡充が盛り込まれている.改正の趣旨には,地域包括ケアをはじめとする理学療法の役割の変化を踏まえた社会が求める専門職の育成,教育の質の向上,学習環境の改善が挙げられる(図1).
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