症例検討 冠攣縮
帝王切開術中のST変化―子宮収縮薬は冠血管も収縮させる!
角倉 弘行
1
,
小柳 哲男
1
,
水田 菜々子
1
Hiroyuki SUMIKURA
1
,
Tetsuo KOYANAGI
1
,
Nanako MIZUTA
1
1国立成育医療研究センター 手術・集中治療部
pp.1022-1025
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101953
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症例
42歳の妊婦(0経妊,0経産)。身長162cm,体重62kg。妊娠がわかる直前まで喫煙していたが,既往歴に特記すべきことはない。妊娠41週2日まで陣痛発来しなかったため,朝からオキシトシンを用いて誘発分娩を行っていた。夕方になっても分娩が進行せず,分娩停止の診断で緊急帝王切開が予定された。麻酔法は脊髄くも膜下麻酔を選択した。無事に児と胎盤を娩出したが,オキシトシンを5U投与しても子宮収縮が不良で,産科医からメチルエルゴメトリンを投与するように依頼された。メチルエルゴメトリン投与から5分経過した頃に,心電図でST上昇を認めた。その時点の血圧は84/50mmHg,心拍数102bpmで,出血量は吸引出血800mL(羊水含む),ガーゼ出血600mLであった。
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