Japanese
English
綜説
血管収縮薬
Vasoconstrictor Drugs
岳中 典男
1
Fumio Takenaka
1
1熊本大学医学部薬理学教室
1Department of Pharmacology, Kumamoto University Medical School
pp.726-736
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201147
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Ⅰ.緒言
血管収縮葉(vasoconstrictor drugs)は臨床応用面から見て,(1)全身血圧を上げるための昇圧薬(vasopressor drugs-shock,低血圧に使用)と,(2)局所性血管収縮により部分的血行を調整するための充血除去薬(decongestants—粘膜面,allergy疾患に使用,局所麻痺薬との併用)に分類される。従来これらの目的に応用されている薬物を薬理作用から分けると,(1)phenylethylamine誘導体である交感神経作働性アミン(sympatho—mimetic amineにぞくするもので大部分の製剤がこれに包括される,(2)polypeptideで生理的に生体内に存し最近化学的にも合成されたvasop—ressin,angiotensinである,(3)所謂中枢性昇圧薬と称すべきものにpentetrazol(カルジアゾール),nikethamide (コラミン),caffeineなどがある。この種薬物の効果の主体は覚醒と呼吸興奮であり,直接血管に作川して収縮をおこすものではないからむしろ中枢興奮薬(analeptics)として論ずべきものである。
昇圧薬については既に本誌上で長崎5),笹本9)が夫々基礎と臨床面から論述し,又Aviado1)は実地上屡々応用される昇圧性アミンの心血管作用に関する綜合的知見を発表した。
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