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Anesthesiology
Editorial:
Brady K, Hogue CW. Intraoperative hypotension and patient outcome:does “one size fit all?”. Anesthesiology 2013;119:495-7.
Article:
Walsh M, Devereaux PJ, Garg AX, et al. Relationship between intraoperative mean arterial pressure and clinical outcomes after noncardiac surgery:toward an empirical definition of hypotension. Anesthesiology 2013;119:507-15.
■術中の低血圧はどこまで許容されるか?
麻酔科医は,術前の血圧,血圧コントロールのための薬物,脳血管障害,虚血性心疾患,腎疾患などの併存疾患,年齢など,多くの要因を考えながら周術期の血圧コントロールを行っている。過去の多くの研究が,術中の高血圧や低血圧は,心合併症や脳卒中などの周術期合併症の頻度を増加させることを示唆している。そのため脳や腎臓などの臓器血流量の自己調節能を考慮して,平均血圧は50~55mmHg以上に保つようにしていることが多いと考えられる。しかし,自己調節能の範囲内であっても,高度の動脈狭窄があれば,その動脈の支配領域は虚血となる可能性もある。Walshらは,140の研究をシステマティックレビューし,130種類の低血圧の定義が行われていると述べている。これは,われわれが行っている低血圧治療は,あくまで状況証拠にもとづくものであることを示唆している。
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