症例検討 冠攣縮
巻頭言
張 京浩
1
1東京大学医学部附属病院 麻酔科
pp.1003
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101948
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- 文献概要
8月号の徹底分析シリーズに引き続き,本症例検討で冠攣縮を取り上げる。
冠攣縮性狭心症発作を起こした症例では,「冠攣縮→ST上昇→冠拡張薬による解除」という流れが基本にあることをまず十分に理解する必要がある。しかし冠攣縮といっても,循環虚脱を引き起こし得ること,発症時の心電図も多彩な形をとること,手術や麻酔に特有な発症条件があること,などさまざまなバリエーションがある。本症例検討では,そのバリエーションを症例として提示し,各執筆者に対応の実際を検討してもらった。
冠攣縮はまれな症状ではあるが,麻酔科医として出会うことはほとんどない,というほど珍しいものではない。そして一度発症すれば,心停止に陥ることもあるほど,重要な病態を呈する。本症例検討が,先の徹底分析とともに,特に若い麻酔科医にとって,その日常臨床に役立つものとなれば大変幸いである。
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