症例検討 冠動脈疾患患者の麻酔
巻頭言
張 京浩
1
1東京大学医学部 麻酔学教室
pp.903
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100192
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冠動脈疾患患者の麻酔管理に関しては,欧米での検討を中心にして,すでに幾多の臨床研究,診断および管理の指針が明らかにされている。なかでも,AHAおよびACCの作成したガイドラインは,日常臨床においても最もよく参照される,詳細な指針となっている。しかし,このようなガイドラインを持ってしても,日々対応に苦慮する症例を経験することは,まぎれもない事実であり,周術期の心血管系の合併症の重大さを考えると,個々の事例をカバーする,より詳細な指針や参考資料が求められていると考えられる。
そこで,実際の症例をベースとして,多彩な症例を設定して,このような患者の麻酔管理に関して経験豊富な先生方に解説をお願いした。一つの症例に対して一つの正答というのではなく,複雑な症例を前にして,ほかの麻酔科医がどのような検討のプロセスを経てデシジョンメイキングをしているか,総論のガイドラインの行間を埋める参考資料として,ご活用いただければ幸いである。
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