巻頭言

　今月の徹底分析のテーマは，先月の症例検討に引き続き，「冠動脈疾患患者の麻酔」です。冒頭の「術前評価」の結語にもしっかりと指摘されているように，この分野ほど，麻酔科医と循環器内科医および心臓外科医との間で連携が重要な分野はなく，また実際に連携しながら，私たちは日々臨床を行っているのではないかと思われます。その意味で，前半部の，臨床の第一線でご活躍されている循環器内科と心臓外科の各先生方の解説は，麻酔科医にとって大変貴重と考えます。後半部は，術前冠血行再建をはじめとして，麻酔計画・麻酔管理でcontroversyと考えられる点を，“Pros ＆ Cons”として，麻酔科医どうしによる自由なディベートという形式にいたしました。同じガイドライン，同じ臨床研究をもとにしても，各人がどのような点に重みをおいて自身の臨床指針というものを作っていくか，前号と引き続き，興味深く読んでいただければ大変幸いに存じます。