徹底分析シリーズ 冠攣縮
コラム:冠攣縮の現況:冠攣縮研究会からの報告―多施設共同研究から得られた新たなエビデンスより
高橋 潤
1,3
,
小川 久雄
2,3
,
下川 宏明
1,3
Jun TAKAHASHI
1,3
,
Hisao OGAWA
2,3
,
Hiroaki SHIMOKAWA
1,3
1東北大学大学院医学系研究科 循環器内科学
2熊本大学大学院生命科学研究部
3冠攣縮研究会事務局
pp.738-741
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101887
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冠動脈攣縮(冠攣縮)は,血管平滑筋の過収縮や血管内皮機能不全を主因として冠動脈が異常収縮を生じ,血管内腔の狭小化から心筋虚血を生じる病態である。狭心症のみならず,急性冠症候群や重症不整脈,心臓突然死など,多岐にわたる心疾患の発症に関与する。特に日本では,欧米に比較して冠攣縮の発症率が高いことが知られており,日本人の虚血性心疾患を語るうえで冠攣縮は欠かすことができない。
冠攣縮研究会*1は,冠攣縮の成因と病態について,最先端の基礎的,臨床的研究を行うことを目的として2006年に発足し,2013年7月現在,国内81施設,海外6施設が参加している。本稿では,冠攣縮研究会の活動と,冠攣縮研究会が主導する多施設共同研究から得られた知見を紹介する。
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