徹底分析シリーズ 冠攣縮
冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン―標準化を目指して
海北 幸一
1
,
小川 久雄
1
Koichi KAIKITA
1
,
Hisao OGAWA
1
1熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学
pp.732-736
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101886
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冠攣縮性狭心症は,欧米人に比べて日本人の発症率が高い疾患であり,急性心筋梗塞後の患者を対象に冠攣縮薬物誘発試験を実施した国際共同研究1)では,日本人の冠攣縮陽性率が有意に高いことが実証されている。しかし,当疾患の診断,治療に関しては,日本の各施設で差があり,統一した診断,治療指針が望まれていた。
そこで,2006年から「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン」2)(以下,ガイドライン)の作成が開始され,2008年に日本語版,2010年にはダイジェスト版の英訳版3)も発表された。ただし,このガイドラインには診断,治療ともに解決すべき点が多く,2012年度から部分改訂作業に着手している。改訂版では,より実臨床に即した診断と治療指針を提供することが必要である。
本稿では,現在のガイドラインの内容とその問題点,そして今後の展望について概説する。
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