Japanese
English
綜説
冠微小血管攣縮
Coronary Microvascular Spasm
堀本 和志
1
,
神垣 光徳
2
,
竹中 孝
3
Masashi Horimoto
1
,
Mitsunori Kamigaki
2
,
Takashi Takenaka
3
1千歳市立総合病院循環器内科
2北海道大学医学部第一内科
3国立札幌病院循環器科
1Division of Cardiology, Chitose City General Hospital
2First Department of Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
3Division of Cardiology, National Sapporo Hospital
pp.985-993
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902362
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はじめに
冠攣縮は一般的に心外膜側冠動脈の攣縮を意味し冠動脈造影で観察できるが,冠微小血管に限局する攣縮は冠動脈造影では観察できない.このため,冠微小血管攣縮(Microvascular spasm,MVS)は,胸痛があり心電図でST偏位を伴うが,同時の冠動脈造影では冠攣縮や著しい冠狭窄を認めないことや,時に造影遅延を伴っていることで診断される.したがって,MVSはこれまで推測的に診断されてきた.しかし最近,本疾患について代謝面から心筋虚血1〜3)が,冠循環動態の面から冠血管抵抗の上昇が証明され2,3),本疾患の病態が次第に明らかになった.
本稿では日常検査で見過ごす可能性のあるMVSの診断と治療,発現機序,syndrome Xとの違いについて述べる.
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