徹底分析シリーズ 周術期の輸血療法
―術中の自己血輸血―希釈式と回収式で同種血輸血を回避せよ!
橋本 浩
1
,
廣田 和美
2
Hiroshi HASHIMOTO
1
,
Kazuyoshi HIROTA
2
1弘前大学医学部附属病院 手術部
2弘前大学大学院医学研究科 麻酔科学講座
pp.1188-1192
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101677
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自己血輸血の臨床は,回収式から始まったとされている。1874年,Highmoreが回収式自己血輸血を提唱し,1885年,Millerがリン酸ナトリウムを用いて回収式自己血輸血を股関節離断術で施行した。1921年にはGrantが,貯血式自己血輸血を小脳腫瘍摘出術で施行した。そして1960年初頭,心臓手術で希釈式体外循環法が行われ,血液希釈の概念はここから始まったとされる。さらに1975年,Messmerらが希釈式自己血輸血を施行した。
日本では1979年,高折らにより希釈式自己血輸血が臨床に用いられた1)。なお,弘前大学では,1980年に希釈式が臨床応用された記録が残っている。それから30年間以上にわたり,地道に希釈式自己血輸血を行ってきた。
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