徹底分析シリーズ それでいいのか 麻酔中の人工呼吸
巻頭言
祖父江 和哉
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
pp.921
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101621
- 販売していません
- 文献概要
■麻酔科医は周術期管理医である
麻酔科医にとって,自分が周術期管理医であるということは,当然かもしれません。であれば最近,周術期管理を総合的なプログラムに則って行うことで,術後回復を促進あるいは改善しようという試みがなされていることはご存知でしょう。患者の術後回復を促進するために,われわれ麻酔科医による小さな仕事の積み重ねが必要とされているのです。
麻酔中の人工呼吸管理もその“小さな仕事”の一つです。最近の麻酔器に搭載されている人工呼吸器は,一般的な人工呼吸器に劣らない機能をもっているものもあります。これらの機能を駆使すれば,集中治療室とほぼ同等の人工呼吸管理が行える可能性もあるほどのものです。また,さまざまな気道確保デバイスも登場しております。であれば,術中の人工呼吸管理のあり方も変化してきているのではないでしょうか。
そこで今回の徹底分析シリーズでは,普段何気なく行っている麻酔中の人工呼吸について,再考してみました。“臨床生理学のエキスパート”である麻酔科医として,今一度,麻酔中の人工呼吸管理を見直す機会となれば幸いです。
Copyright © 2012, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.