症例検討 薬をめぐるトラブル<前編>
巻頭言
祖父江 和哉
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
pp.97
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200488
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- 文献概要
次号の具体的な症例検討の前に,今回は総論として,「誤薬の実態と対策」「配合変化を回避するための知識」を取り上げます。このようなテーマは,若い方でこのような経験がないと,当事者意識を持ちにくいかもしれません。しかし,多くの麻酔科医は薬物に関してヒヤリとした経験があるものです。麻酔科医がかかわる薬物のトラブルは,患者の生命危機に直結する危険性があります。そして,明日,あなたが当事者になる可能性は十分にあるのです。
日本麻酔科学会は,薬物エラーをなくすべく,「周術期の誤薬・誤投与防止対策」の取り組みを始め,その一環として,筆者がワーキンググループ長となり,2015年3月27日「薬剤シリンジラベルに関する提言」を発表しました。今回の企画は,このタイムリーな時期にお届けするものです。まずは,二つの総説を通して「患者安全を向上させるのも麻酔科医の仕事」と再認識してください。
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