症例検討 感染源患者の管理
巻頭言
祖父江 和哉
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
pp.633
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101862
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- 文献概要
近年,手術を受ける患者の背景は複雑化しています。われわれ麻酔科医は,そのような多様化に対応した周術期管理を提供すべく,日々努力しています。今回の症例検討のテーマである「感染源患者の管理」も,多様化の一部であると考えます。“感染源となるリスクのある患者”に手術を行う際の問題点は,患者本人だけではなく,医療従事者やほかの患者への伝播,手術室の汚染など,病院のリスクにもつながる可能性があることでしょう。
さまざまな感染症の感染源をもつ患者に対し,麻酔科医として,どのような対応をすればよいのでしょうか? 例えば,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌methicillin resistant Staphylococcus aureus(MRSA)を保菌する患者の手術に際し,麻酔器全体をビニールで覆うといった対策を行う病院もあると聞きます。これには,大変な支出が必要だと想像します。果たして,どのような対応がスタンダードなのでしょうか?
本症例検討をお読みいただければ,基本的な感染対策を学んでいただけるものと思います。われわれ麻酔科医も,感染制御の知識を身につけ実践し,手術室において,さらに信頼される医師になろうではありませんか!
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