徹底分析シリーズ ニューロモデュレーションと鎮痛
―脳深部刺激療法による難治性疼痛治療―第一選択ではないが,必要不可欠 症例の積み重ねに期待
後藤 真一
1
,
平 孝臣
1
Shinichi GOTO
1
,
Takaomi TAIRA
1
1東京女子医科大学 脳神経外科
pp.572-577
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101546
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脳深部刺激deep brain stimulation(DBS)療法は,振戦,Parkinson病,ジストニアなどの不随意運動に対する治療法として,その有効性が広く知られている。DBSはその電極留置に際して,定位脳手術という方法を用いる。定位脳手術では,フレームと呼ばれる金属製の枠(図1)を特殊なピンで頭蓋骨に固定。この状態でMRIやCTで撮像し,フレーム上に設定された実際のXYZ座標にターゲットとなる画像上のXYZ座標が合うように専用のソフトを用いて設定し,基底核や視床など,脳内のさまざまな部位に,正確に,電極,凝固プローブ,あるいは生検針などをピンポイントで到達させる。
定位脳手術によるニューロモデュレーションには,刺激電極を植え込むDBSと,凝固プローブを用いた破壊術があり,それぞれ一長一短があるが,ここでは疼痛に対するDBSに絞って解説する。
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