徹底分析シリーズ ニューロモデュレーションと鎮痛
―脊髄電気刺激(SCS)療法―硬膜外麻酔に似た手技は麻酔科医向き 執刀医となり疼痛患者を減らそう
福井 秀公
1
,
内野 博之
1
,
大瀬戸 清茂
1
Hidekimi FUKUI
1
,
Hiroyuki UCHINO
1
,
Kiyoshige OHSETO
1
1東京医科大学 麻酔科学講座
pp.566-570
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101545
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ある大規模調査では1),日本人のおよそ13%が慢性痛を有しており,その77.6%が満足のいく程度に痛みが和らいでいない。これらの原因の一つには,痛み治療の専門科である麻酔科(ペインクリニック科)の受診率の低さもあるという。現在,痛みは5番目のバイタルサインともいわれ,日本でも多くの鎮痛薬が新規に発売され,痛みの治療が重要視されてきている。しかし慢性痛は,難治性であり,薬物療法のみでコントロールできるとはかぎらず,また副作用の問題もある。
慢性痛患者に施行する脊髄電気刺激spinal cord stimulation(SCS)療法は,普段から硬膜外麻酔を施行している麻酔科医にとっては,非常に身近な手技であろう。そして痛みのスペシャリストを目指す麻酔科医にとっては,是非とも習熟したい治療法の一つではないだろうか。
本稿では,SCSの適応や合併症について概説する。
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