徹底分析シリーズ 麻酔に役立つ血糖のお話
―術後の影響を考慮した術中血糖管理―周術期リレーアンカーの集中治療医から
吉田 真一郎
1,2
,
今泉 均
2
,
升田 好樹
2
YOSHIDA, Shinichiro
1,2
,
IMAIZUMI, Hitoshi
2
,
MASUDA, Yoshiki
2
1札幌医科大学医学部 麻酔科学講座
2札幌医科大学医学部 救急・集中治療医学講座
pp.1186-1191
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101399
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手術を終えた患者がICUへ入室した。病棟では管理困難なさまざまな侵襲を受けている。最新の血液ガス分析の結果に目を通すと,酸素化や電解質は正常範囲内だが,乳酸値35mg/dL,血糖値220mg/dLと,異常を示している。これらの異常値はしばしばみられるものではあるが,これから安全に覚醒させ,抜管するには要注意だ。目標はICUからの退室ではなく,術後早期に回復させ,元気に退院させることだ。周術期管理リレーのバトンは麻酔科医から集中治療医に渡った。周術期管理の集大成を任されたわれわれが,ここで転ぶわけにはいかない。患者背景や病態,全身状態を把握したうえで,異常値を補正し回復期への後押しをしていく。
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