症例検討 硬膜外麻酔・鎮痛の合併症
―モルヒネによる呼吸抑制―十分なモニタリングとすみやかな対処がカギ 拮抗後の再度の呼吸抑制発生には注意!
佐野 博美
1
,
服部 政治
1
SANO, Hiromi
1
,
HATTORI, Seiji
1
1がん研究会有明病院 麻酔科・ペインクリニック
pp.914-918
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101341
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症例
65歳の男性。身長168cm,体重68kg。早期胃癌に対して胃切除術が予定された。T10/11椎間から硬膜外カテーテルを頭側に向かって3cm挿入した。麻酔はプロポフォールで導入,維持を行った。術中はロピバカイン0.75%を硬膜外カテーテルから間欠的に投与した。手術終了30分ほど前に硬膜外カテーテルからモルヒネ2mgを投与した。手術は3時間,午後1時に終了した。術後は,0.2%ロピバカイン80mLにモルヒネ4mgを加え,4mL/hrで硬膜外持続投与を行った。酸素マスクで5L/minを投与した。夜中の3時頃,看護師が見回った時,呼吸数が8回/minであり,SpO2が98%であることに気づいた。
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