徹底分析シリーズ PCA再考
PCAによる緩和医療―最後は家で過ごしたいという希望を叶えるために
奥野 滋子
1
,
一瀬 直子
1
,
中野 真理子
1
OKUNO, Shigeko
1
,
ICHINOSE, Naoko
1
,
NAKANO, Mariko
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 緩和ケアセンター
pp.798-802
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101312
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WHO(世界保健機関)は,緩和ケアを「生命を脅かす疾患に伴う問題に直面する患者と家族に対し,疼痛や身体的,心理社会的,スピリチュアルな問題を早期から正確にアセスメントし解決することにより,苦痛の予防と軽減を図り,生活の質Quality of Life(QOL)を向上させるためのアプローチ」と定義している。
QOL向上のためには,体調の急激な変化に伴う突発的な症状に対しても早急な対応が求められ,薬物の持続投与と間欠投与の組み合わせが可能なPCAが有効である。
終末期癌患者の場合は,痛みがなくなることがゴールではなく,また,疼痛コントロールにじっくり時間をかけている余裕もない。それは,痛みが緩和された後に,患者や家族の希望を叶える時間をどれだけ作り出せるかが,大きなポイントだからである。適確で迅速な疼痛コントロールには,患者自身が参加することが重要であり,PCAはその一つの手段となる。
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