連載 専門看護師の臨床推論・12
患者の最後の希望を叶える―終末期にある患者の希望を「カシオペア」に乗せて
中山 祐紀子
1
,
大生 定義
2
,
井部 俊子
3
1医療法人社団杏順会 越川病院
2立教大学
3聖路加看護大学
pp.1162-1165
発行日 2012年12月10日
Published Date 2012/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102647
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胸膜中皮腫の患者の多くは,診断された時点で治療困難な状態にある。そのため,人生の整理もできないまま終末期を迎えることになってしまう。終末期にある患者は病状が不安定になり,いつ急変するのかわからない。それでも患者は希望をもち,できることならば,その希望を実現したいという思いを強く抱き,最後まで生き抜こうとする。そして,看護師は患者の生きたい気持ちに寄り添い,何とか希望を叶えたいと切望するのである。身体的負担が予測される患者の希望を実現していくためには,患者の病態を把握し,起こりうるリスクを見定め,リスクに対処できるように患者・家族の準備性を高める関わりが必要になる。
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