徹底分析シリーズ PCA再考
PCAの医療経済―投与経路で収入が違う在宅医療になるとこれまた複雑…
橋口 さおり
1
HASHIGUCHI, Saori
1
1慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
pp.778-781
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101308
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どのような素晴らしい事業でも,収支のバランスがとれなければ継続することはできない。これは医療でも同様である。有用な鎮痛方法であるPCAでも,機器に関連した費用や,材料費,薬剤費,人件費など,さまざまなコストがかかる。
一方,病院がそのコストに充当するための資金は,診療報酬によって得る。
日本は国民皆保険制度となっており,保険診療と自由診療を併用する混合診療は原則禁止である。このため,医療機関におけるあらゆる診療行為は,基本的に医療保険の範囲内で行われる。
日本のようにディスポーザブル式PCA装置が普及している国は,先進国でもまれであるが,これには,医療保険制度が深くかかわっている。すなわち,経済性について考えるには,まず医療保険制度について理解する必要がある。
なお,本稿における保険点数や薬価などは,2010年4月改正時のものであり,今後変更される可能性がある。また,診断群分類diagnosis procedure combination(DPC)包括評価の導入により,病院ごとに算定の方法が異なるため,自身の医療施設がどの算定方法を選択しているかをまず確認してほしい。
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